
違法な「白トラ」への規制が令和8年4月1日から強化されます。(報道発表資料)
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000346.html
この発表を受け、
「廃棄物の収集運搬業者にも緑ナンバー(一般貨物自動車運送事業の許可)が必要なのか?」
という問合せが後を絶たないため、本稿を記します。
貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)より、第二条第2項を引用します。
(定義)
第二条
2 この法律において「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。次項及び第七項において同じ。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。
(引用終わり)
念のため、2026/03/03に報道発表資料記載の部署(国土交通省 物流・自動車局 貨物流通事業課)に電話して確認したところ、
一般貨物自動車運送事業の許可要否については、従前からの解釈に変更がない旨を確認しました。
一般貨物自動車運送事業の許可要否はシンプルに、
貨物自動車運送事業法より抜粋の以下第二条第2項に該当すれば、一般貨物自動車運送事業の許可が必要となります。
キーワード毎に分けると、
・他人の需要に応じ、
・有償で、
・自動車を使用して貨物を運送する事業
となります。
では、従前の解釈とはどのようなものなのか解説しておきます。
なお、一般貨物自動車運送事業は国交省管轄、廃棄物収集運搬業は環境省管轄となりますが、
省庁横断的にまとめた国の通知は現段階において存在していないものと考えられる旨はお知らせしておきます。
まずは、公益社団法人全国産業資源循環連合会(全産連)より、
各都道府県の産業資源循環協会宛の令和7年10月7日付事務連絡に要点がまとめられていますので、ご覧ください。
https://www.hshigen.or.jp/upload/syuuti.pdf
(以下、上記事務連絡より最後段の部分を引用します。)
※なお、改正物流法において、廃掃法の収集運搬業者に緑ナンバーが必要か否かは従前から変更ありません。
国土交通省の公表資料で廃棄物運搬における荷主の考え方が示されているとおり、
第2種荷主の方では「貨物自動車運送業の許可を有しているか不明又は有していない場合」
ということがあり得ることが記載されています。
p.43「4-6.廃棄物運搬における荷主の考え方とポイント」をご確認ください。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/sippers-mindset-logistics-pattern_ver.1.2.pdf
(引用終わり)
上記のとおり、廃掃法の収集運搬業者は、一般貨物自動車運送事業の許可が絶対条件とはされていません。
小職にご質問いただく場合の回答例では、
一般貨物自動車運送事業の以下キーワードと廃棄物収集運搬業を対比して説明しています。
・他人の需要に応じ、
→◯ 廃棄物収集運搬業もこの部分は該当します。
・有償で、
→× 廃棄物収集運搬業は非該当です。
廃棄物とは、「貨物自動車運送事業法でいう荷主により民法上の所有権を放棄された物」であるため、そもそも荷主は存在しません。
廃棄物の排出者が支払う費用とは、自分が要らなくて捨てた物の処理費(収集運搬費用+処分費用)を支払っているに過ぎず、
荷主として荷物運送の運賃を運送事業者に支払っているわけではないことに注意が必要です。
廃棄物の場合は、廃棄物処理法に従ってくださいとお伝えするのみです。
・自動車を使用して貨物を運送する事業
→◯ 廃棄物収集運搬業もこの部分は該当します。
総合して、廃棄物収集運搬業には一般貨物自動車運送事業の許可は不要と解釈できます。
以上が従前からの解釈の説明です。
なお、国交省の報道発表資料のとおり、令和8年4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法により白トラ規制が始まるわけですが、
廃棄物処理業の世界でよく聞かれる有価物(例 金属スクラップ、古紙、工業用二次原料に加工された廃プラスチック類など。)を
第三者に運送委託する際は、委託された運送事業者は緑ナンバー(一般貨物自動車運送事業の許可)が必要となります。
有価物だから許可が要らないという理屈は通用しませんので、間違えのないようご理解ください。
本件について、あまりに間違った情報がでまわっており、だいぶ混乱があるという話をお聞きします。
本稿により、法令の正しい理解と実務運用の一助になりましたら幸甚です。
追記:令和8年3月18日
環境省及び国土交通省より、令和8年3月16日付で下記事務連絡が発出されました。
https://tosankyo.or.jp/wp-content/themes/tosankyo/img/pdf/info/info-260317_01.pdf
要約:
廃棄物処理業者が、市町村や排出事業者との包括的な委託契約に基づき、収集・処分と運搬を一体的に実施している場合の運搬行為は、
「自己の生業に付帯して行われる運送」であるため、貨物自動車運送事業の許可(緑ナンバー)は不要。
注意点:
改正法は従来の取扱いを変更するものではありません。
結論としましては、廃棄物収集運搬業には一般貨物自動車運送事業の許可は不要、となります。
より具体的なケース、詳細について確認したいことがございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。